<クズハ>
もう先週末のお話なんですけど・・
金・土・日と、のっぽくんのセールで、アルもいつもどおり便乗の「食品10%OFF」セール。さらに、日曜日、城北病院の「けんこう祭り」に出てみない?と誘われ、「5大除去のケーキを出してほしいんだけど・・・」 5大除去とは、牛乳・卵・小麦・米・大豆の5つを抜いたもの。初挑戦。セール用に多めに作るケーキと、初挑戦の除去ケーキ。
ただでさえいっぱいいっぱいな日常生活に加えてこの2つで頭も体もいっぱいなのに、金曜日、夫の大事な友達が金沢に遊びに来るという。それは飲まんなんやろ。
さらにさらに、土曜日は本町の秋祭りで、子ども達は初めて「子ども神輿」に参加するという。町内練り歩きについてあるかんなん。
このお祭り、なんと、’野々市町本町2丁目’という、超ローカル限定のお祭りなんです。「野菜神輿」という、お米や野菜で飾りつけた神輿を作って昼は町内を練り歩き、夜は道路でワッショイワッショイです。
町内の人たちだけでやるお祭りで、見物者がたくさんいるわけでもないし、こども神輿が回っても、家から顔を出してくれる人もまばら。故郷の宇出津の盛大な「あばれ祭」で育った私にはギャップ感じる「祭り」だけど、いまどき、「本町2丁目」だけで祭りを成り立たせるなんてそれだけでスゴイことだ。ヨメに来て数年、今までは見てるだけだったけど、子どもに付いてまわってみたら、子どもが喜んでるから、もうそれでいいやーって楽しかった。
野菜みこし!
タマネギの飾りかわいい!
娘、絶好調!
本町のほかの町内も、同じ日にそれぞれ獅子舞を出してお祭りやってます。本町ってすごいわ。昔からのつながりの強い地域。
で、午前中はそれで終わって、セールでごったがえしている店に戻って子ども達にお昼を食べさせていたら、外がずーっと騒がしい。夜の大人神輿までは何もないはずなのに何事?と見にいったら、図書館(旧野々市役場)前に、ああっ!と驚くような大きな人の輪が出来てました。そして、なんと本町1丁目から6丁目までの獅子舞とみこしが勢ぞろい。それぞれ出し物を繰り広げているではありませんか!!
これは「あわせ」というらしく、後で聞いたところでは、数年おきにやっているらしいんです。今年は、「野々市の町長さんが本町から出たお祝い」の「あわせ」だったんですって。
秋晴れの中で、子ども達がお神楽を踊り、若いお兄ちゃんたちが獅子と舞い、おじいちゃんたちがお囃子や口上。見慣れた場所で、見慣れた顔ぶれが作る、「超日常」。
感動しました。子ども達も、突然現れた非日常空間に飲みこまれて興奮状態。
野々市本町は、昔から野々市の中心だったみたい。役場もこの前まではここにあったし。お宮さんもあるし。今は公民館になっている場所は、野々市全域から子ども達が通ってくる小学校だったそうです。
街道沿いには呉服屋さんなどあらゆる店があって、野々市の中心商店街だったみたいです。いまは見る影もないけど。
夫の祖父・祖母も、靴屋さんで、金沢を含めてもかなり手広くやっていた繁盛店だったらしく、私は今でもご近所の長老さんには「ゲタやの姉ちゃん」と呼ばれたりする。
野々市ジャスコが出来たときに、危機感をもった商店主が集まって作ったのが、私たちが今入っている この「一番街」ビル。ここのローンを返すために、毎月何十万と支払いがあって、本当にひどかったと、ばあちゃんはいつも言っています。その「一番街」でも、今はお商売はきびしくて、うちの両隣は営業をやめたり移転したりしてしまってシャッターが降りています。大きなタバコの自販機が幅をきかせてます。
本町商店街を壊滅させてしまったジャスコは、結局さらに郊外に移転。それでも何とか残っている人のつながり。「昔はほんとにいい商店街やったんやよ」
なんか涙が出ました。おじいちゃんから赤ん坊まで町内で顔をそろえて、部外者の見物なんてなくても十分オリジナルで特別で、手作りで、ホントにいい祭り。
野々市はまだいいわ~若い人も子どもも沢山いたし。
ふるさとの宇出津は、ものすごいスピードで人が減っていて、中学校では毎年20人ずつ生徒が減っていっているというから、もう消滅寸前、祭りのキリコも出せない町内がきっといっぱい出ていると思う。一ヶ月も前から町中で浮かれて準備して、ほんとにほんとに熱い祭りだったのに・・
日本中どこも、田舎の文化は消えてなくなるこの頃。ぜったいなくなって欲しくないと、どれだけ思っても、消えていくものは消えていくし。
フェアトレードには、そんな文化を残したい!っていう取り組みもたくさんある。地域を残す、地域での暮らしを守る、それが大きな目標だったりする。だから、じゃあジャスコさんがフェアトレード品を扱ってくれるのは、いったいどう考えればいいのかな?頭がすっきりしません。
そんなことを思いながら、涙をにじませながら、祭りの輪にひたっていました。
スペシャルな3日間でした。子ども達はそのあともずっと、わっしょいわっしょいと、祭りごっこをやっています。