<クズハ>
トレペの配達は無事に終わりました。心配してやきもきしていましたが、道に習熟した私がいなくても、地図だけで、七菜店長とウチの夫とでさっさと100件以上の配達を回ってきてくれました。よかった。来年からは安心してお任せです。暑い中、お疲れ様でした。
さて改装工事は、今週はじめに契約が済み、いよいよ本格的に動き始めてます。刻々と状況が変わり、いまだに大事な部分が何度も変更になるなど落ち着かない(けど面白い)日々が続きます。
今日は、施工業者さんになってくれる「健匠舎」の北川さんと、工事をやってくれるのっぽくんの社長と、私の3人で、窓の形でさんざん悩みました。
外に面しているのは一面だけ、という構造で、そこは大きな 「掃きだし窓」と呼ばれる形の窓を入れることに決まっています。全面が窓で、外に押し開ける形です。
ここを、アルミサッシでなく、木の枠のサッシにしたい、というのが私の希望でした。
アルミは、ご存知のように「電気のかたまり」で、木で作る場合に比べるとエネルギーとしては20倍喰うそうです。でも、木製サッシは、エネルギー喰わないはずなのに、コストが2~3倍します。
アルミサッシが20万なら、木製サッシは50万以上するのです。理由は、オーダーメイドだから。アルミなら、需要があるから、いろんな規格で作りおいたものがあるのに、木だと手作りになるからです。それから、アルミの値段が安すぎること。(このからくりについては、先週発売になった田中優さんの新刊にくわしいので、ぜひご覧ください。入荷しています)
木製だったら、外からの暑さ寒さも遮断してくれて、エネルギー的にはほんとにいいものなのです。
でも50万もするものを・・・ずいぶん悩みました。ただでさえ、予算を大幅にオーバーしているのに。
でもどうしても木にしたくて、ここは踏ん張ることにしました。材質が決まったあとも、形や大きさ、数など、さまざまな条件とつきあわせて決定するのに もうなんどもひっくり返しては話をしています。
私の願いは、ただひとつ、材料に国産材を使うこと。木材は、ご存知のように海外から安くていいのがどれだけでも入ってきています。でもその背景は、目を覆いたくなるほどひどいものです。人の命や子どもたちの未来と引き換えの輸入木材を、使いたくないのです。そして日本の林業に復活してほしいのです(こういう、国産材を使おう、って努力が、ほんとの国益に貢献、ってもんじゃないかしら。国を愛せよというなら、教育基本法や憲法をいじるまえに、国産材で家を建てて暮らしてほしい、自民党の自称・愛国議員たちに。)
でも、国産材をつかいたいというささやか~な意思を貫徹するのがこんなに難しいとは思っていませんでした。次から次へと、「輸入材をつかったほうがいい理由」が出てきます。値段のことだけじゃないんです。たとえば国産材・県産材は、すぐ使えるものの種類が少ない(ちゃんと乾燥して用意できているものが少ない)ので、選ぶときに限定されているなどなどの理由。
それでも国産材・・・といっていると、だんだん、自分がすごくわがままを言っているように思えてきます。
アルミだけでなくて、ほんとうに、住宅の材料って、石油製品が多いですね。塗料にはオイルステインでなくて柿渋を使う、など、ささやかな試みを取り入れていますが、全体としてはわずかなものです。将来取り壊しになってゴミになるときに、ゴメンナサイを言わなくてはいけないものが多いです。それでも、工事に関わる皆さんの努力で、今あるものを生かしたり、間伐材をたくさん床につかったり、テーブルやカウンターはどーんと無垢の板をつかったりと、「生きている材料」も、ずいぶんあります。自分たちやお客さんたちだけでなく、将来の命にとっても、居心地のいい場所作りとしたいものです。