おいしいお米をありがとう これからも尚子さんといっしょです

okunogenmai3

アルのランチのご飯は、「エコファーム奥野」さんの「イセヒカリ」。
初めて食べる方には、いつも言われます
「これ、玄米? お赤飯みたいに食べやすいね」

伊勢神宮で生まれた突然変異種「イセヒカリ」、
説明はこちら
栽培方法が確率されていない中で、辛抱強く取り組み、
このおいしいお米を私たちがいつでも食べられるようにしてくださったのが
奥野さんご夫婦。

先週、奥さんの尚子さん、他界されました。

初めてお会いしたのが16年くらい前?

農業に詳しくなかった私たちのことも
よく相手してくださって、
いっしょにいろんなことをさせてもらいました。

畑に遊びに行くと喜んでくださって
子どもたちが田んぼに入るのを許してくれたり
トマトもぎをさせてくれたり。
すっごく気持ちよい川で川遊びさせてもらったり。

たんぼの横でのお昼ご飯。
昔の農機具を出してきての、脱穀体験。
とりとめもないおしゃべり。

お米を配達しに来てくれた時も
なんやかんやと話しかけてくれて。

ずっと前に、まだ私が独身だったころに、
尚子さんと一緒に、先輩農家さんのところに遊びに行った時、
尚子さん、そこの奥さんをつかまえて
「子どもの給食費、どうやって払ってますか」と
真剣に訊ねてました。

それを見たときに、
「みんなの体に安心なものを、と真剣にやっている農家さんが
こんなにもお金の心配をしなきゃいけないとしたら、なんか、つらい。
もっと農家が普通の仕事になるには
どうなったらいいんだろう」と
考えたものです。

まずは、プロの農家さんが手間暇かけたものはすごくおいしいんだ、ってことを分かってもらうのがいいと思ったことが、アルのデリを始めたきっかけでした。

尚子さんみたいな人が、幸せに暮らしていく
そのことが私の中での、ひとつの「あるべき世の中」の基準になっていたような気がします。

にぎやかな人だったので、
もういないことが信じられなくて、
しばらくは、アルでご飯を盛るたびに泣いてしまいそうです。

でも、皆さんにこのお米、この一膳のご飯を
これからもお出ししながら
尚子さんという方がいたこと、
土と水と小さな生き物と食べる人たちの健康を
追いかけ続けてくれた女性がいたこと、
作物だけじゃなくて、
後輩農家や、わたしたちにも、
何かを伝えようとし続けてくれたこと

そしてこれからもずっと、尚子さんが
鳥越の田んぼにいて
お米の神様と一緒にイセヒカリとそれを食べる私たちを見守ってくれてること
食べる私たちの幸せを祈ってくれてることを

あー、、、どんな言葉にすればいいのか
まとめられません。

ほんとは、こんな物分かりのいいことじゃなくて

「まだまだ一緒にこの時代を生きていきたかった」って思ってます。

とにかく、明日も奥野さんのお米をお店でおいしく炊きます。

見ててね、尚子さん。

 

 

 

 

10年前

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