（今日はデリスタッフのいつかちゃんがレポートです）

アルでお洋服が人気のシサム工房さんのオリジナルコーヒー、「シサムコーヒー」

そのコーヒー豆の生産地、

フィリピンのコーディリエラ地方で

コーヒーの栽培から卸し、村の人たちへの環境教育や奨学金プログラムまで

いろいろと現地でコーディネートしている

CGN(コーディリエラ　グリーン　ネットワーク)の反町真理子さんのお話が

シサム工房さんで聞けるっということで、京都まで行ってきました。

反町さん

シサムコーヒーの豆は

アグロフォレストリー(森林農法)という森を守りながら生産物をつくるという農法でつくられています。

地域によって植える作物や組み合わせはさまざまだそう。

フィリピンの山奥、コーディリエラ地方。

標高は高く、もともと林業を生業としている山岳民族の人たちが多く暮らしているのですが、

政府の取り決めなんかによって「木をきってはだめっ！！」と勝手に決められてしまい、

じゃあ木を伐採せずに収入を得るために、と焼き畑農業で現金収入をまかなっていました。

 

木を切って売るのは違法。木を燃やすのは違法じゃないからと。そうして焼き畑を繰り返していくうちに森がやせていく。土砂崩れはもちろん、森がなくなる＝水源がなくなる　と水不足が深刻な問題に。
森を焼く→水不足→作物が育たない→現金収入が得られない　と悪の連鎖に…

そこで植林できて、現金収入できるものは？と最初はマンゴーやアボカドなんかを植えていたそうなんですが、出荷するのに道がわるく、鮮度が大切なものは向かなかった。

それで、一番適していたのがコーヒー豆。
悪路でも丈夫で、標高も気候も適していて、現地の人はコーヒーを飲む習慣があるし、何よりもみんながつくれるところが良いんですって。

フェアトレードでも個人が儲かるような仕組みでは逆にその地域の中で貧富の差がうまれてしまう。だからなるべく誰でも作れるようなものがいいんだそう。

地域全体が底上げされないとフェアとは言えないんですね。

そんな経緯でコーヒーを栽培し始めて、今までで10万本ほど植えてきたんですってっ！！
その他にも植樹を行っているし、コーヒーにとっていい環境にするために、土壌を良くする木や日陰をつくる木も植えているから、森に木を植えまくってる！
また豊かな森になるといいなぁ～。

コーヒーが収入源になるには、苗を育て始めてから3年、コーヒーだけで収入を賄えるようになるには10年かかるそうです。
10年ほどで、うまくいけば1ヘクタールの土地で800本のコーヒーの木が育ちます。1本の木から採れる生豆がだいたい100ペソ(250円)。800本だと80000ペソ(20万)の収入になる。
20万。
これは、学校の先生と同じくらいの収入になるそう。(先生になるための出費を差し引いて)
すごい！
自分たちも先生と同じくらい稼いでいけるってことが、生産者の自信につながって、誇りにもなっているって。

収穫は年に１回で、熟した豆を手積みで収穫。
その後ほぼ手作業で果肉をとって発酵、
ぬめりをとってパーチメントという殻をキネとウスでついて(！)ザルで殻をとばす。

と、まるで昔のお米の脱穀の様な作業。
これを1年に一回の収穫時期に豆400kg分を一気に行います。
だからみんな腕がパンパンなんだって。

その後豆の選別。これがまた根気のいる作業で、
反町さんは良くない豆の見本を大量にカラーコピーして農家１人々に配布して、
みんなそのポスターを見ながら一粒一粒手で弾いてゆく。

それでも選別が甘いと、現金引き換えのときに
「あなたの豆は本当は○○ペソで売れるけど選別できていない豆がこれだけあるから○○ペソしか支払えない」
ってどれだけ忙しくっても、
後ろに長蛇の列ができようとも農家さんみんなの前で言い聞かせるそう。

豆のクオリティーがあがればこれからも生き残れる。
しかも地域全体のクオリティーを上げることが必要だと。

今はフィリピンではコーヒーバブル期だそうです。
CGN以外にもフィリピン内の州、町もコーヒー産業に進出しはじめているので今後はコーヒーの値がおちる。でも農家さんの労力を考えると値は下げられない。そんな中でもちゃんと収入を得れるためにはしっかりとした品質を確保＆均一化することが大事なんですって。

反町さんは笑い飛ばして話してくれたけど、はぁ～とてつもない地道な努力と根気がうかがえます。でもそんなことを感じさせないパワフルさと情熱を持った素敵な方でした。

お話を聞き終わって目の前にあるシサムコーヒーを撫でたい気持ちに。
本当によくここまで来たな～。
まだまだ一部を垣間見たってだけだと思うのですが、私とコーディリエラがほんのちょっと近づいたかな～？！
シサムコーヒー　深入りでのみごたえしっかり！アイスコーヒーおすすめです！

豆を焙煎している「中山珈琲焙煎所」さんに美味しいコーヒーの入れ方もレクチャーしてもらいました！