<クズハ>
「フェアトレードの話」シリーズ、思わぬご好評がプレッシャーでなかなか書けませんでした。
ってうそ。確定申告の時期なので、事務仕事に追われています。今日はちょっと逃避して・・
インドに行くとみんな哲学者になる、って、聞いたことありますか。
例えば石ころが道にある。
アフリカでは、「石がある」ただそれだけに見えるものが
インドで見ると
「この石はなぜここにあるのだろうか。」
「この影は何を意味するのだろうか」と
考え出してしまうというのです。
確かに、インドを放浪している旅行者たちは、何かを一生懸命考えていました。
私もいろんなことを、とことん悩んだ記憶があります。
中でもドツボにはまった「おこじき問題」
カルカッタにはたくさんのお乞食がいました。
マザーテレサの修道会では、外国人ボランティアに、「乞食にお金を渡さないでください」といっていたようです。マザーを慕ってたくさん集まる外国人目当てに、カルカッタの子どもが物乞いを覚える、そのことが子どもたちの精神を蝕んでいくから、と。
それもそうだ、と思い、私は付きまとう子どものお乞食にはお金を渡さないことにしていました。ホントに何もあげなくていいんかな、と、迷いはあったんですが、実際に乞食に出会ったときに迷っていると、あっというまに何人にも囲まれてしまうので、渡すなら渡す、渡さないならきっぱり立ち去る、どちらかに決めておかないと道路でもたついて一日が終わらない、それほどまでにお乞食の数が多いのでした。
乞食を取り仕切るマフィアもたくさんあるみたいでした。乞食が集めたお金をピンハネするマフィア。もっと手が込んだものでは、子どもが流暢な英語で「母親が病気で乳が出ず妹が死にそうだ」とかなんとか言ってくるのです。かわいそうだからミルクを買ってあげましょう、というと、この店の、この銘柄のミルクを・・とやけに細かく指定してくる。買ってあげると、その後ミルクはそのまま店の棚に戻され、子どもと店には何がしかのマージンが入る、という仕組み。
さらに残酷なのは、炎天下のアスファルトの道端に手足がない人たちが寝かされていて、缶が置いてあるので喜捨ができるようになっている。毎日同じ場所です。もとからハンディのある人もいれば、乞食をしやすいようにと生まれたときに手足を切断される場合もあるらしい。
乞食に喜捨をすると、結局そういうマフィアたちを肥え太らせることになるから、絶対にカネを渡すな。旅なれた人にはそう言われました。
だけど、なかなか難しいんです。自分は朝ごはん食べて、昼ごはんも食べてお腹いっぱいだけどちょっと甘いものが欲しいからジャムパンを食べている、その横にそーっと子どもがやってきて、そのパンをくれというときに、その子が本当にお腹がすいているかもしれないのにあげないなんて、やっぱり私ヒドイんじゃないの?この子は朝から何にも食べてないかもしれない、もしかしたら昨日も食べてないかもしれないのに?
あなただったらどうしますか?
カルカッタにいた4ヶ月間、悶々と悩んでいました。結局一度も、子どもにはおカネを渡しませんでした。いまでもふと、あの子達がどうしているかと考えることがあります。そのまま空腹で死んだ子もいるかもしれない。厳しい路上生活の中で、ほんのひと時の幸せを、ジャムパンであげられたかもしれないのになと。
毎日、追いすがってくる子どもたちに何も渡さず(時には手を振り払って)立ち去るのがつらくて、何かできないかと考えて、折り紙とあやとりを持ち歩くようになりました。子どもが寄ってきたら、手をつないで一緒に道端に座って、折り紙をします。インドの子どもも、日本の子どもとおんなじように上手に折るんです。
わー、上手。なんでインドの乞食の子なのにこんなに上手なんだろ?
驚いたあとで、よく考えてみたら、驚いてる自分がオカシイと思えてきます。おんなじ5歳なんだから、教えさえすれば日本の子どもと同じことができて当然なのにね。結構差別意識あるんだなあ私も・・・
一度一緒に遊んだ子どもは、次の日から、道で会っても物乞いをしてこなくなります。物乞いの手を出してくる代わりに、「アンティ!(お姉ちゃん)」と手を振ってくる。今日は何を折る?と・・・
お腹がすいていることには変わりないはずなのに、「ともだち」になった私には、けして物乞いはしてこない。乞食のときはまったく表情がなかった顔に、一緒に遊び始めたとたんに ぱっと目に光がさして来る。
乞食、したくてしてるわけじゃないんだ。
自分の感情を殺して、手を出してるんだ。みじめな気持ちで。毎日毎日。
この子どもたちに、乞食をさせない方法はないんやろうか?
教えればこんなに上手に折り紙を折る子どもたちに・・
私がフェアトレードにたどり着くきっかけになった、カルカッタの路上の出会いでした。
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私も以前バングラに行ったときに物乞いの多さに驚きました。老若男女問わず、体に障害のある人がおおく目の見えない人、脊椎に障害がある人、手足が無い人など様々で中にはその人たちを世話する(運ぶ)ために雇われる人もいるそうです。わざと障害者にすると聞いたこともあります。私もお金を渡すには抵抗があり、飴やお菓子などはあげてもお金をあげることはありませんでした。地元の人は、あっち行けと振り払っていました。外国人だとわかると寄ってきたり、お金くれると思ってジェスチャーでアピールしてくる人や、あげないとめちゃくちゃ怒る人など様々で(そもそも何で私があなたにあげなきゃいけないんだ!私だった苦労してここまできたんだぞ!とキレることもありました)悩みました でもあげていたらきりがないし、私があげることで救われるならあげるけど、あなたは働けるでしょ?という人にはあげませんでした。ただ、老婆は別で旦那さんに先立たれ働き口も無く物乞いするしかない状況の時は食べ物を買ってあげたりしました(動けないので)
折り紙私もしましたよ 夢中で折る子もいればくしゃくしゃにしちゃう子もいました。理数系が好きな人は折り紙も好きな人が多かったです。折り紙は楽しいですよね 老若男女国問わず遊べます。機内や待ち時間などに作ってあげてました 結構喜んでくれたり教えてと言ってきたり、コミュニケーションをとるきっかけになりました。
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以前、イタリアのローマを旅した時のこと。豪奢な教会の建物の傍らでは、物乞いをする人がたくさんいました。仕事さえあれば、働ける人たちに思えたので、何もあげませんでしたが。地下鉄に乗ると、子供が集団でスリをしていました。ローマ教皇が住んでいるのかどうか知らないけれど、こんな豪勢な建物を建てるのだったら、職業訓練の施設のひとつも作ればいいのに、と思いました。(当時)定職についてないのに、こんなところをブラブラできる自分自身はなんなんだ・・・と、考えつつ。
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知らないことを教えて下さって、ありがとうございます。
直に目で見た者でしかわからないこと、語れないこと。
ここに記しきれないカルカッタでの四か月が今も葛葉さんの中に生きていて細胞分裂を続けているのだなーと感じました。
そしてフェアトレードにたどりつくきっかけとなった路上の命たちに、alでの「おいしい」時間を与えてもらっていたんだなぁと気づきました。
この先のお話、首をきりんにして待ってます。事務仕事おつかれさまです!
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みなさんコメントありがとう。やっぱり皆さん、考えさせられますよね、お乞食問題には・・日本でも、「ビックイシュー」みたいに、路上生活者を支援する動きが出てきましたね。あれもいい仕組みですよね。
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バングラの市場で5歳位?の男の子が口に手をあてて物乞いをしてきたました。瞳が白く濁っていたので
少しだけ小銭をあげました。帰ろうと市場を出た時、その子が嬉しそうに駆け寄ってきて何かをみせてくれました。片手に少しのご飯つぶ。見せた後嬉しそうにたべながら去って
いきました。
ミャンマーでは10歳位の男の子がずっとひつこくついて来て、こいつ絶対お金狙いだ。そう思い、無視してたのですが、あんまりひつこいので、10円のおいしくなさそうなゆでたトウモロコシを、ふんっ。て渡したら、そそくさと帰っていき、あの子ホントにお腹すいたんだ。と
後悔と罪悪感にさいなまれ、
ベトナムではホテルまで、500m以上。「ハングリー、ノーパパママ。」といってた子の声が10年近く経っても消えません。
旅行の回数が増えるたび???も増えて苦しくなっていきます。罪滅ぼしの気持ちも含まれるのでしょうか。フェアトレードに惹かれます。
でも、フェアトレードからこぼれてしまう人は?
インドでは、きれいな高級レストランの店の横で、真っ黒のボロ布にゴミのようにくるまっている人が生活していて、更に、そこに、人がいるという意識のない、幸せそうなインド人家族が、何も感じず、笑いながら店に入っていきました。
ナニカガマチガッテイル……。日本で育った日本人の私の価値観は、
そう感じました。でも、インドでは
当たり前なんでしょうね。
でも、ホームレスの方の横を私には笑いながら歩けません。
同じ最貧国でもラオスは悲壮感がありませんでした。物欲がないっていうか。地に足がついているっていうか。
いろいろ見て歩いて教育と行政の大切さを感じます。フェアトレードも間接的な行為なので、自分に楽をしないよう上手く利用していこうとおもっています。ながながとすいません。大変失礼いたしました。
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コメントありがとうございます!「自分に楽をしないように」。うん、罪滅ぼし、贖罪意識のようになってしまうことがよくありますね。一番大事なことは、考え・苦しみ続けることなのですよね。
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クズハさん。ありがとう。
考えることは大事です。でも、苦ししむことは嫌だし、続かないかなあ。一番だいじな事は、知ることでしょうか。