<むつみ>
どうするのが正解なのかわからないことって、いっぱい、ありますよね。
わからなくても、歩き続けていたら、いつか見えるのかな、
見えたらいいな・・・きっといつかは・・と思った夜。
お盆前ですが、京都・シサム工房さんに行ってきました。
社長さん・スタッフのみなさん、それぞれ個性的でおもしろくて
大好きなお取り引きさん。
輸入元さんと小売店として、16年のお付き合いですが
今回は社長の水野さんの座談会があるとのことで
それは初めてなので、楽しみに。
直営店の棚には、もう新作ニットが出てました!
アルでお出しするのはまだまだ先なので、
ここでチラリと・・・ご覧ください
直営店の店長さんたちが集まり、
ミニコーディネートショー
みなさん、かわいかった・・
楽しげな様子はこちらで見られます
http://sisam-collection.tumblr.com/
副代表の人見さんは「シサムのものづくり」と題してお話。
デザインを考え始めてから製品が小売店に届くまでの
約1年半の過程を、お話してくれました。
(人見さん、話す姿も超かわいいのに、
私の携帯の電源が落ちてて写真撮れませんでした、残念やし!)
「シサムスタッフ全員が持っているのが、これ」と、取り出したのはピンセット。
「ネパールは、貧しい国なので、まず原材料を ’買い負けて’ います。
おが屑とかが混入した毛糸しか輸入できない。
それを、シサムスタッフが総出で取り除く作業がずっと続きました。
最近では、ようやく、
現地の生産者さんが検品をできるようになってきた団体もあります。
手編みなので大きさが多少違うのは仕方ないけど
これはさすがに・・・と思うものが
前はよくあったけど、最近ようやく減ってきました」
そんな話を聞いていて、気になったので質問してみました
「商品の仕上がりが悪いとき・・
これ、シサムさんと生産者さん、どっちが悪いの?
って困る事、ないですか?
返したいけど、生産者さんの状況を考えると
返せないってことって、ありますか?」
答えは
「なんの問題もなく納品されてくることは、ほぼ、ない」
どの例を話そうか困るほど、今までに
たくさんのトラブルがあったそうです。
涙なしでは語れない、と。
シサムさんの方針として、
指示通りに仕上がっていない商品も、
返品しないことにしているそうです。
これは、「なんで?」と思われる方、多いかもしれません。
生産者さんのためにも、
ダメなものはダメって、わかってもらうために
返品(前払いしてある代金を、返してもらう)するのが
筋、と
思う方がいらして当然と思います。
ただ、・・・・・・
生産者さんたちのいる環境を想像できる私としては
うーん、
シサムさんの選択に、
深く、共感というか
そうか、そう決めてるなら、
わかった、私もがんばる!
とエールを送るしかない。
(ここからは私の勝手な想像がいっぱい入りますが)
フェアトレードは、
経済的に弱い立場の人たちの中に
仕事を作ることで
人間らしい暮らしができるように、と
考えられた仕組み。
出来てきた商品が、
規格にあわなくて売れないとき、
突き返したいけど
返すことで、生産者さんが、
その「経済的に弱い立場」ゆえに、
あっという間に
「人間らしい暮らし」から滑り落ちてしまうことが、起きます。
ご飯がたべられなくなる、
子どもが学校にいけなくなる、
女の子は結婚をあきらめて出稼ぎに、、とか
自分の土地を手放して小作農になる、とか
すごい高利貸しからお金を借りなくちゃいけなくなって
返済のために家を失い、
故郷を離れなくちゃいけなくなる、とか。
「経済的に弱い立場の人」って、
もともと、余力的なものがまったくといっていいほどない人たち。
家の中に、小銭の一個も落ちてない、
どこを探しても余分なものが何もない、
そんな人たちをものづくりに巻き込んでいくからこそ
フェアトレードって言えるし
意義がある商売になる、
だけどその分
「リスクを誰がとるか?」ってことが
課題になり、
シサムさんは「自分たちがとる」と決めてる。
ただでさえ、商品の代金を「前払い」することが多い。
(そうしないと、糸も何も買えない生産者さんたちの場合。)
その分の資金繰りも
きっと大変なはず。
そんな大変なリスクをとって、お商売?
聞いてるだけで、心臓ドキドキ、、、、、、、
でもそうやって、リスクをとってくれる会社さんがあるおかげで
私たちアルは、「フェアトレードショップです」って
言っていられるんだなあ・・・
余力のある人たちとだけ、ものづくりをしていたら
それは普通のお商売だもんなあ・・・
改めて、感謝、するだけじゃなくて
私たちもそのリスクをすこし
わけてもらわなきゃなあ・・・って
思いました。
具体的には、
もっとお洋服をしっかり売るとか、
そういうことで。
「お買い物は投票です」の文字。)
シサム工房さんでは、
生産者さんの中でも、力をつけてきた団体さんには、
商品に不具合があった時に
少しそのぶんをのんでもらう
(支払い代金を1ドル、2ドル分減らすなど)ことを
しはじめたそうです。
1ドルは、向こうにとってはすごく大きな金額になってしまうけど
でも、その痛みを乗り越えられたら
生産者さんもあれこれと工夫をして
ちゃんとした商品を作れるようになる。
そうすることで、お互いに、
お商売を続けていけるようになる。
みんなで暮らしをよくしていきましょう!
みんなが、人間らしく、
笑ったり歌ったりご飯を食べたりできる地球に
なりますように。
あーーーーー
長くなってしまったら
社長の水野さんのお話の話題まで
たどり着けなかった!
おもしろかったのに。
水野さんと
そして帰る私を店頭で見送って下さったお二人
これからもどうぞよろしく