＜むつみ＞

　今夜はうちの赤ん坊がさっさと寝てくれて、夜鳴きもしないので、時間が長くとれました。チャンスとばかり、お客様からお預かりした洋服のお直しをしました。

　肩ひもが少し短ければいいのに・・・とお悩みだったので、「それくらいなら私がお直ししますよ」と、お答えしたのです。

　カンタンに見えたお直しは、意外にそんなにはカンタンではなかったです。ひもを開いて、切って、合わせて縫うだけですが、シサムさんのyuiyuiシリーズは、生地と同じで、ひもも全部ダブルガーゼでした。おなじ質感を出すためにはそうするしかないけれど、これ、縫うのもカンタンじゃなかっただろうな、と思いました。ちょっと生産者気分。

　一定の時間、手仕事に集中するのは、とても気持ちがいい。すっきりしました。

　夏の間中、こどもたちが家にいて、しかもうちには７歳から１歳まで、自我はしっかりあるけれど自分のコントロールはまだ出来ない年頃の子どもが４人もいて、その騒々しさといったら。。。５分に一回、何かしら起こり、悲鳴、怒号、金切り声の大騒ぎです。「おなかすいた」「のどかわいた」「おやつまだ？」「おなかいたいからヨシヨシしてえ」「ボクのカードがない」「つまらん」「なんかしたい」「いまなんじ？」

　おもちゃの取り合い・おやつの多い少ない・誰が誰をたたいた！くらいのケンカなら、まだ理解できます。

　腹が立つのは、「水の取り合い」水ならいくらでもある！！争うな！

あと、皿の奪い合い。「オレもその皿が良かった」とか。あっちを立てればこっちが立たないし。泣き出したら止まらないし。

　「もう、お母さんをやめたい！」くらいまで言うと、さすがに反省してくれて、「ごめんなさあああい（涙）」と、収まっていたのですが、それも、何度か繰り返せば、もう効き目も薄れました。

　夜になり「今日は怒りすぎたな」、と反省できるうちは、まだよかった。最近では、そんな気持ちも湧いてこない日が多くて、朝起きたらまた１０分後には「ああ、今日一日、持つんだろうか」と・・・・

　この、子どもたちのケンカ声を、もし「ああ、かわいい声だなあ」と思えたとしたら？・・・そしたらいいんじゃない？相手は変えられないから、私が変わるしかないんだし。泣き声が聞こえてきたら、そのたんびに「ああかわいい」って思えばいいんだよ！と、今日思いついたのですが、まあ、何というか、思いついてみただけ、って感じです。

　でも、かわいいことも言っています。（今日を思い出してみる）

　庭の用水路に、立派なオニヤンマが来て、ブウンブウンと羽音を立てながら産卵を！始めたので、全員大興奮で見学しました。

「川に産んだら、卵が流れてしまうねえ」「卵は、およげるんかなあ」「これはメスってことやね、お母さんトンボやね」「なんか楽そうに産んでるねえ。それともちょっと苦しいんかな」（これは第４子の出産に立ち会った、長女の感想。笑いました）　

そして長女は、飛び立ったトンボに向かって、「うちの川に産んでくれて、ありがとう」と声をかけていました。

　私も、うちに生まれてきてくれてありがとう、と、思っているんだよ。今は、なかなか思い出す暇がないだけで。きっと、数年立てば、この夏のことも、うっとり思い出すに違いないのです。