<クズハ>
定休日。子どもたちはそれぞれ預けて、とあるところで左官仕事をしました。珪藻土の壁塗りです。
一階は、プロの左官屋さん。二階は素人集団で。
左官屋さんの仕事はすばらしくて、見ているだけで背筋が伸びてくるようなキレイな仕上がり。そして、早い!!
こちらは、何人もで束になってかかって、同じようにやってみようとすればするほど、うまくいかず、でこぼこ、でこぼこ・・・比べて見ているとだんだん自分が惨めになってくる。
職人さんの仕事は、本当に、本当にきれい。こんな壁の部屋で暮らせたら、人生変わりそう。
「左官屋さん、お名前なんておっしゃるんですか」と尋ねても、
「名前・・・・?・・・左官屋、でいいわいね・・」
とうつむく左官屋さん。・・・持ち物に「ミシマ」って書いてあるからミシマさんというらしい。
「ミシマさん、やっぱりこの道20年、30年、ってされているんですか?」
「・・・・・40年や。15の時からやさかい」
不敵に、ニヤリと笑った、ミシマさん。
40年かっ!!!!!すごい!!!!
塗り続けてきた40年が、この壁をつくるんや。いろんなことがあったやろうなあ。
40年の技術ってすごい。もう、「すごい」ばっかり何回言ったかわからない一日でした。
壁は、今どきクロス張りが主流だから、珪藻土塗りの職人さんはきっとかなり減っていると思うけれど・・・・技術は、何とかして残ってほしいと思った一日でした。
それと、下手なりに、自分たちでもやってみてよかったなと思いました。職人さんのすごさがわかったから・・・
手仕事の価値。フェアトレード品の職人さんでも、染めや織りなどで、一度は仕事を失って、自殺も考えて、でも何とか復活させて・・・みたいな話がよくあります。「自殺まで考えるなんてどうして?」と、ピンとこなかったときもあったけど、今は少しはわかる。仕事=人生、ってことが、あるんだよね。
私は今はそんなふうには生きてないと思うけど、そんなふうな人生もいいなと今日は思いました。
ミシマさんの壁を見てみたい方、店のすぐ近くで見ていただけますので、店でスタッフにお申し出ください。
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だいぶ前に、情熱大陸で若い左官屋の社長さんが取り上げられてたのを見たことがあります。
海外で活躍されていて、その土地にある土でそこで暮らす人の思いを形に出来る壁を仕上げるその姿に目は釘付けでした。
仕上がりももちろん、美しくて素敵だったなぁ~…。