フェス、一日目

<クズハ>

初日、朝。6時に会場入りしようと思っていたので、5時起床。2時間しか寝ていないわりに、体も動くし元気。

 朝もやのなかの茶畑に見とれたり、藤田さんが心づくしの朝ごはんを用意してくださっていて、感激しながらいただいたり、自然農のたんぼを見せていただいたりと、ついつい遅れて、会場に入ったのは40分遅れくらい。

 ボランティア参加の おーにしさん、すが~らさん、さなりん、まるこさんを乗せた車はすでに会場入り。ごめん!!

 しかし、スタッフのナナ、アッコ、そして今回一緒に参加してくれた喫茶店メロメロポッチのマスター熊野さん、バイトのFさんのご一行が・・・・・来ない。8時までしか車は入れないのに、15分前になっても来ない。無事なの?

 結局4人は滑り込みで間に合った。その時点で、かなり作業は遅れていて、8時から皆でひととおりやろうと思っていたうどんのオペレーション・リハーサルが出来ない。

 そこに、悪い知らせ。うちが提案して仲間たちと製作を担当した「マルバツクイズ」、初日の解説者としてお願いしてあった I さんが、体調不良のため、どうやら今日は参加できないとのこと。

 どうしよう!

 どうしようもない。今日の問題の流れをつくったのは私だったので、私が解説をやるしかない~。

 そうなったらすぐに司会の高坂さんと打ち合わせしなくちゃ。高坂さんは、池袋で「たまには月でも眺めましょ」という名前のバーをやっているお兄さん。ずっとメールでやり取りしてきたけど、細かいことは何も詰めてないまま。

 結局、うどんのリハが出来ないまま、モノの配置も中途半端なままの店を残して、私は打ち合わせに。

 「嵐ちゃん、あなたがうどん大臣。リハの仕切りよろしく」

(そのあと、いつもおっとりの嵐ちゃんが、え・・と・・・えっとぉ・・・じゃあ!と覚悟を決めて仕切りだした姿が本当におもしろかったと、ぐっちの回顧録)

 

 高坂さんは前日遅くまで店を営業したあと、ほとんど寝ずに新幹線に飛び乗ってつま恋に。私も寝てないので、二人の打ち合わせはなんだかもたもた。横で、クイズスタッフのみゆきさんが一生懸命フォローしてくれる。クイズは10時半から。開場したばかりの時間帯で、人が集まるか心配してたけど、みゆきさんの呼び込みや、金沢で画家のかるべめぐみさんが書いてくれたバナーのおかげで、ブースのなかはあっという間にいっぱいに。

 この時点ですでにガンガンと日が照りつけ、テントの中にいても倒れそうな気温に。それでも参加者さんの食いつきはかなりよく、こちらの話にハッとしたり、うなづいたりしながら参加してくれる。炎天下、音楽を聴きに来た人たちをつかまえて、児童労働だの、フードマイルだのの話をしていると、なんだか申し訳なくなってくるけど、おーにしさんの作ってくれた音楽(Thinking Time!とか 正解は~~!とかの)が、場をずいぶん助けてくれる。

 クイズが終わって、アルのブースにダッシュ。そこで私が目にしたもの・・・・・それは想像をはるかに超えた事態・・・・

 長蛇の列。縦に長くのびただけでは収まらず、L字に曲がってエリアのなかをずーーっと伸びている。

 こんな列、最後にみたのはいつだろう?学生のときディズニーランドにいったとき以来かも・・?

 ブースのなかは、すごいことになっていた。うどんを茹でるお湯がなかなか沸かない。ゆで湯を換えたいのに、水がない。(その日の朝まで水場だと思っていたところが、実はお客様の手洗いだったので、出店者は使っちゃだめと言われたらしい) 茹でたうどんをしめる水も、ぬるくなっていくままなかなか換えられない。

 中のスタッフたちは必死の形相で麺を伸ばし続け、茹で続け、盛り付けを続けているけど、列はいっこうに減っていかないどころか、どんどん長くなっていく。

 うどんは手間がかかるけど、ラタトィユと玄米クラッカーは作っておいてあるからすぐにお出しできるのです。なのに、みなさん「うどんご希望」なのです。「夏野菜のラタトィユならすぐお出しできますよ!」とお声をかけても、まっすぐ前を向いて、みなさん炎天下を並んで待っていらっしゃるのです。

 私は、事態をなにひとつ良くできないまま、子どもたちの手をにぎってボー然。

 もう限界!はやくライブ始まって!と時計をみても、まだ12時半。

 うどんを茹で続けるすが~らさんの頭上には、気温38度のなか、お日様も容赦なく照りつけ・・・、

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2時になり、ライブがはじまって、ようやくお客様がいなくなったころには、・・・・・・・あーもうそのときの記憶ないです。本当に、みんな疲れ果てて、しばらく立ち直れませんでした。

 終わってみて初めて気がついた。うどんが、練習のときよりかなり太い。見ると、製麺の器械(パスタマシーン)の、厚さ調節メモリが、移動の間に動いてしまって、かなり太めになっていた。だからなかなか茹で上がらなかったんだ。

 昨日のテストの時にはすぐに沸いたお湯が、なかなか沸かなかった原因は・・・?昨日はテントのなかに設置していたけど、今日は外に出したから、風が吹き付けて火力が弱まっていたんだ・・・

 とにかく、何か食べて、そして翌日の分のラタトィユを仕込まなきゃ。動ける人は力を振り絞って野菜を切ってくれたけど、予定の5鍋分は仕込めず、3鍋までで断念。それも、10時まで粘っても最後までは出来なかったので、また藤田さんのおうちに大鍋を3つ持ち込み。

 私はもう悔しさでいっぱいでした。ベストの状態でうどんをお出しできなかったこと。粉がいいし、のっけた野菜たちもおいしいし、みんな必死でやってくれたから・・・・と、救いもいっぱいありましたが、それでも店で試行錯誤して完成に近づけたものとはだいぶ違う仕上がりになり。スタッフみんなにもしんどい思いをさせ。それもこれも、自分が中途半端な状態で、みんなに仕事を渡してしまったから。どれだけ後悔しても、お客様とは一期一会だったのに。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日は全員で藤田さんのお宅にどっさり参上。熊野さんたちはしっかりお酒を買い込み、それを囲んで反省会。これがすごかった。みんな、移動で寝てないし、疲れ果てているのに、明日はこうしよう、ああしよう、と、延々ミーティング。

 

 代表の私が、もう帰りたい・・と一瞬弱気になったほど過酷な一日だったのに、誰もあきらめずに、明日の準備をしてくれている。そうだ!明日はぜったい、ベストに近づけるんだ!明日こそ!明日こそ!

 藤田さんは、全員がお風呂終わるまで待っていてくださり、待つあいだも枝豆をむいたりと手を休めずに手伝ってくださる。ほんとに拝みたいほどありがたい。

 結局この日も、味付けを終わって寝たのは3時すぎ。明日の仕事の流れを頭のなかで何度もシュミレーション。

 それにしてもお天気、すこし曇ってくれないかしらと、祈りながら寝る。

19年前

2 コメント

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    す、すっごい事になってたのね!
    その辺のバタバタは私も経験してるので、良く解ります。主人も私もいまだに夢でうなされたりします。歯がゆいやら悔しいやら。。(苦笑
    皆さん体調は元に戻りましたか?私はあの日あの会場で頂いた、あったかくて優しい想いがいまも体中をレゾナンスしてて、幸せな気分でむちゃハードに過ごしています。
    alさんこれからも頑張って下さいね。
    おうどんもラタトゥユもクラッカーもバナナジュースも美味しかったです!特にラタトゥユ!トマトの旨味が凝縮されててウマッ!!

  2. SECRET: 0
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    シエスタさん!あの空間を共有できて幸せです~!そして、私の憧れ シエスタさんから「私も経験してる」と言われたら、もうほんとにうれしいです。そっかー、みんな、ここからまた始めるんだなあって。これからもまた、いろいろ教えてください!飲食店はやっぱりまだ悔しいけど初心者マークのal スタッフ一同より

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