フェアトレードの話4

<クズハ>

カルカッタのお乞食話にたくさんレスありがとうございます。

子どものお乞食の話は、講演に呼ばれたときに時々します。

よそではなかなか出来ない、お乞食の話があります。

聞いてもらえます?

ガンジースクールに通うのにいつも通る道で

いつも会う女のお乞食さんがいました。

いつも胸に赤ちゃんを抱いて、へらへらと笑いながら「ねえねえ」と寄ってくるのでした。

私は、マザーにも言われているし、と、お金は渡さなかったけど、彼女は毎日めげずに寄ってきました。

そろそろインドからは離れようと決めたある日、ボランティア仲間たちと食事にいくのに歩いていて、また彼女に会いました。その日はいつもよりしつこく迫られました。しまいには腕をつかまれて、1ルピーだけでも、と言われました。1ルピーは3円くらいです。

「私だってアナタの大変なことはわかってるんだよ、お金は渡せないけれどその代わりにこうしてストリートチルドレンのために働いているから」、と伝えようとしたんだけど、ベンガル語ではそこまでは話せなくて、それでつい、知っている単語を並べて「私、わかってる、わかってる」とベンガル語で言ったんです。

そしたら、ずっとへらへらこび笑いをしていた彼女が、突然英語で

「お前に何が分かるっていうんだ!わざわざ日本からきて、一ルピーも恵めないんだったら、こんなところをうろうろしていないでさっさと帰れ!」と怒鳴ったんです。

そして、背中を向けて、歩き去っていってしまいました。

おこられたー。

彼女、英語が出来たんですね。知らなかった。高めの教育が受けられる家で育ったんでしょう。それが、何があって路上に出てきたのか。

同じ年頃の私たちが、毎日無邪気に「今日なに食べるー」とかいいながら通るのを、どんな気持ちで見ていたのかな。どんなに頼んでも、一円も恵まない私たちのこと、どう思っていたんだろう。

赤ん坊抱えて収入もなく路上で暮らすのがどんなに大変なことか、子持ちになった今だとあの頃より何倍も強く感じられます。働きたくても子連れではどうしようもないし、身動きだって満足に出来ないんですから。

その後、何回か会ったけれど、目もあわせてこなかった彼女。

何しにきたんだ。日本へ帰れ。

ほんとーうに、へこみました。

外国人がお金を恵むといけないというのなら、インド人同士でもっと助けあってよ!と考えたりしました。なんで皆知らん振りで歩いていくんだろう?カルカッタの市民は何をしてるの?インド政府は何をしてる?

でもそうやって誰かのせいにしていてもむなしいだけ。でも自分ひとりで背負うことの出来るわけもない問題で。

こんな世界やだよー。

「出来ることからやるしかないんじゃない?」と言う人も多かったけど、私はそれには納得できずに、ぶつぶつ言いながらしょっちゅう泣いていました。どこかに、答えがあるはずなのに、それを見つけられずにいるような気がしてました。

赤ん坊がおなかすいて泣いているのに助けられない世界なんて、ホント最悪だわー。

19年前

6 コメント

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    物乞いの方にも色々あるんですよね 外国人だと思うと何かくれるとちょっと寄ってきたり、生きていくのに必死で寄ってくる人がいたり 少女や女性はまだまだ身分が低かったりするので、体を売るしかなかったり 私はどうすればいいんだ?何をすればいいんだ?と毎日悩んでも、現実はなかなか難しい 「私じゃなくて政府に言ってよ!何で私に言うのよ!」と現地にいるときに思いましたが、そう出来ない理由もあるはず カースト制度がまだまだ差別的に使われてますからね エリート国民はどう思って生活しているのだろう?と疑問に思ったけどそこは異文化 理解に苦しみます マレーシアではホームレスの方物乞いの方には「こんなところでそんなことしてちゃ危ないよ あそこに施設あるから行こう」などと声をかけている方が何人かいました なんか凄い嬉しかった 人として扱われ気にかけられている バングラでは「私とは関係ない」「恥だ」という感じが多かったので 
    外国人の私達が手助けできる部分はありますが、国民が差別の無い皆が幸せに生きれる社会を作っていってほしいと思いました。

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    私もフェアトレードをコンセプトに会社を立ち上げました。起業してからの奮闘日記公開中です。

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     バナラシで歩いてたとき、裕福そうな女子大生に募金をお願いされました。貧しい人にあげるんですと。
     TBSの番組でネパールのお金持ちのお嬢様が、将来は困っている人達の役に立ちたい。といいつつ、
     同じ位の年頃の家政婦の女の子に、すごい命令口調で水持って来い。といってました。
     みんな、自分がなにしてるんだか考えようよ。(自分もだけど)自己満足やめようよー。
     赤ん坊だけじゃなく、おなかがすいてるのに助けられなくて、
     飢え死にするひとがいるのに、グルメ番組みている私。
     ほんっと最悪な私と世界だわー。
     

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     じっくりブログを読ませていただいています。葛葉さんのカルカッタ話、すごーく胸に響きました。実際に経験してきた人の話だからでしょうか。
     手を差し伸べたいけどその方法が果たして是か非かなんて、どこまで突き詰めても明確な結論は出てこないことって本当に多いんですね・・・。
     山中の嫁さん(ガトーショコラの会でお目にかかりましたね!)もバングラでいろいろ経験されてきたんですね。複雑だったと思いますが、何かの役に立ちたい気持ちってやはり大切なことだと思います。

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     世の中不公平が当たり前。公平だなんてどうして考えてしまうんだろう。
    そう考えるから苦しくなるのに。
    その人の辛さはその人しかわからない。
    他人への同情心は、自分の存在価値を得るためだけのもの。

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    ジニ係数さんコメントありがとうございます。何かお返事書きたかったのですけど、数日たってもちゃんと理解できなかったので、すみません・・・

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