「私はあなたの畑で・あなたは私の畑で」

<クズハ>

毎年恒例の’セーターフェア’、今年は今週の21日、金曜日からはじめます。セーターのほかに、手袋や帽子などニットもののご予約会で、期間中のご予約品は10%オフに。ずらりと並ぶ手編みのセーターのボリューム感!スタッフもあれこれ見るのが楽しくて続けている企画です。

生産者団体のひとつ、ペルーの「ミンカ」。これ、ケチュア語で「私はあなたの畑で・あなたは私の畑で」という、相互協力を意味する言葉なのだそうな。たった三文字ですごいですね、漢字なみの表現力。

ミンカを立ち上げた女性が住んでいるのは、標高3800Mの町・フリアカという町。気温が一日に30℃から氷点下まで上下し、雹(ヒョウ)が降れば一年の収穫がゼロになることもあるなど生活条件が厳しいところ。ペルーでは先住民(白人が上陸してくるまえに住んでいた人たち)が今も差別されているのですが、64年には視察に来た大統領に窮状を訴えようと集まったフリアカの先住民に「反政府活動だ」と軍が発砲、2000人が犠牲になる事件があったほど、人の命も権利も軽く見られているところです。

アルパカの毛を手紡ぎして、一週間かけてセーターに仕上げても、60年代には夜市では仲買人が100円ほどしか払ってくれず、それでも生活のためには売らなくてはいけなかったほど、人々は立場が弱かったそうです。

そんな土地で、ミンカが活動するようになってから、編み子さんには週当たり700円ほどの収入も可能になりました。ミンカは海外のフェアトレード団体に出荷するために品質をあげたり、廃れつつあった地物の穀物「キヌア」を復活させて人々が栄養を取れるようにしたり、編み手がスペイン語の読み書きができるようサポートしたりしています。残念なのは、ミンカからの注文がないときはほかのバイヤーの仕事をするしかなく、そちらは週に300円ほどの収入にしかならないとのこと。

いま、ミンカに参加している生産者さんは2000人。年に三ヶ月くらいしか仕事がないとはいえ、ミンカは彼らの暮らしになくてはならない存在になっています。もっとミンカからの仕事が欲しい、と、新しいサンプルを作ったり、品質向上に努めたり、生産者さんたちの努力はつづいてます。

これはミンカの、一昨年のセーター。

ふわふわかる~くて、暖かい、アルパカニット。どうぞ今年のも見に来てください、そしてペルーの高原の空と風とお母さんたちのがんばりを感じてみてくださいね。フェアは31日までやってます。カタログを見てのご注文も承りますのでお申し付けください。(カタログお送りします)

20年前

1件のコメント

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    お久しぶりーな気分です。むつみさん、お帰りなさい。(って遅スギ?)いつも、ステキだったり、ビックリだったり、なるほどだったりのお話、ありがとうございます。
    この記事も本当にびっくりでした、、、。編み子さんに週700円ほどの収入も可能、って、、、。700円!たった700円!編み物自体を趣味としてでもやったことのある人なら、一枚のセーターを仕上げるのに、どんな時間がかかるのか分かると思います。それが、週で700円! セーター1枚でもなく! なんだかとってもショックでした、、、。

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