4「みんなが幸せでないとね」インド生産者さん訪問記その4

 

むつみインド日記「無事にデリーにおります!」
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「みんなが幸せでないとね」インド生産者さん訪問記 番外編
女子の希望の星! イラムちゃんに ’スクーティー’ を贈りたい


「みんなが幸せでないとね」インド訪問記その4
検品作業とは!!!!!???

今回のインド訪問は

アルの取引先

京都のシサム工房さんが導いてくれたもの。

 

検品体制を確立するために2団体を訪問しますけど

ご一緒にどうですか?

 

というお誘いでした。

 

 

実は私、いまひとつ、わかっていませんでした。

検品の体制とは?

 

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「油染みがあったり、ほつれがあったり、ボタンホールの不良が

日本に入ってきてから大量にみつかるので

何年かかけて、現地で検品できる体制を整えつつあります。

そのチェックに。」

 

 

うーん、あんまりピンとこない・・

 

私は、

 

 

作る過程で、ふつうに生地や完成品をさわっていれば

ふつうにチェックできるように思えるんだけど

それ以上なにをするんだろう?

 

と、少し不思議に思っていました。

 

だいたい、

なんで、ボタンがボタンホールを通らないようなモノが

日本にまで届いてしまうのか。

 

 

ここについて、最初の日の、午前中すぐに

その答え、分かりました。

 

こちらがプロの検品作業

これが私の作業

 

 

ビシッと、見ているように見えますが

視線が泳いで、どこまで見たのかわからなくなって

振り出しにもどる・・・・

 

 

さらに、チェックポイントがやまほどあるので

どこまで終わったのかがわからなくなる。

 

さらに・・・

 

 

これはやってみないとわからないので

ぜひみなさん、お手持ちのお洋服のチェックを

いま、ちょっと、やってみてください!!












どうですか?

服の、どこをどうみればいいかわかりますか?

 

 

シサムさんのスタッフさんたちは

数年前まで、

インド・ネパールから送られてくる品物のなかから

あまりに多くのB品が出てくることに音をあげてしまい

 

「どうしてこんなものが届くんですか?」と。

 

 

その声を人見さんが現地の生産者団体に伝えても

伝えても

伝えても

死ぬほど言っても

 

不良品はなくならなかったと。

 

 

 

大量のシミつき服を、人見さんのお義母さまが引き受けて

洗って干したら

お家のリビングがぜんぶお洋服で埋まる、

そんなことの繰り返し。

 

 

どうしたら、現地で、出荷前に、不良が見つけられるのか

考えて考えて

まずはシサムさんのほうで、検品の仕方を研究して

(検品のプロに教えてもらうなどして)

検品の仕組みを完成。

 

今はその技術を、現地に「移転」中。

ということでした。

 

 

検品の仕組みって?

 

 

まずは、テーブルとモノの配置。

 

カラティマク検品の流れ

 

 

前は、並び方が違っていて、作業の流れが悪く、

せっかく見つけたシミの服が

またもとの服の山にもどってしまうことがあったとか。

 

 

それを、ちゃんと作業が流れるように、配置を変えたら

みんなから「すっごく流れる!やりやすい!これで見落としが減る!ストレスが減った!」と

喜びの声があがったとか。

 

 

(耳が痛い!

アルの事務所も、たまに、書類なくなる。

請求書をなくして支払いが遅れて、

すごく恥ずかしい思いをしたこともあるし)

 

同じ種類の完成品を、おなじ状態でストックしておく。

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まず、ひっくりかえして、裏側のチェック。

 

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(裏担当のヒナちゃん。私も一緒に裏担当)

 

 

縫い目に途切れがないか。

オーバーロックの糸のほつれがないか。

 

下のほうから順番に上へ。

外のほうから順番に内に。

ひとつも、見落とさないように。

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裏担当3日目のシャイナちゃん。三日間ですっかり上手になった!)
そしていっぱい糸くずがついているので、

ブラシをかける。

(こっちにいいのがないのでシサムさんが持ち込んだもの)

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これをしないと、お客様が試着してくださったときに

糸くずだらけになって出ていらっしゃることがあるとか(苦笑)

 

それをまたひっくり返して表側のチェック。

 

 

襟のラインは左右対称か。

サイズはちょうどよいか。

ポケットの縫い口はきれいか。

ポケットの位置は左右あっているか。

シミは。

糸の縫込みは。

袖の長さは左右あっているか。

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(袖がちょっと長い・・・すぐお直しへ・・)

生地の目がまっすぐか。

股の縫い目の強度は強いか。

タグと商品があっているか。

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幅が違ってしまったトップス)



見るポイントは他にもたくさんあって

しっかり意識していないと

すぐに抜けてしまいます。

 

 

問題が見つかると、

すぐトップ5が集まって、対策。

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もう完成してしまっている服を

ここから手直しするのはたいていの場合ムリなので

今後おなじことが起きないように

打ち合わせ。

 

(品物は、正規品にはなりません)

 

最後に、

綺麗にたたんで、袋詰め。

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これを一日中、立ちっぱなしで作業します。

 

お疲れ様です!

今回は、いろいろな事情で

ラマダン(ムスリムの人たちの断食の季節)と重なってしまったので

飲まず食わず(ほんとうに水の一滴ものまない)

さすがにしんどそうにしている子もいましたが、

基本、淡々と、同じペースで

コツコツと前進していました。

 

全てを同じようにみる、というのは

なかなかに難しいことです。

 

 

そして・・・・

 

シミなどを見つけた時の、

何人かのスタッフたちの微妙な表情。。。

 

「これも、ダメですかー」

声にならない声が聞こえる・・・

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(また、流れが、とまってるぅ・・・)

 

 

たしかに、こっちのお洋服は

すっごい適当なのをいっぱい売ってるんです。

シミあたりまえ。

刺繍の糸がそとに飛び出してる。

袖の長さが違う・・・・・

生地の色が途中から変わる・・・

 

ぜんぜん気にせずに、そんなものとして、売っています。

 

その中で育てば、

おかしいと思わないでしょう。

 

日本人はこんな小さなシミも許さないのか~~

と思っているかもしれませんね。

 

正直、うぜー、とか思ってるのかな。
こんなに細かくチェックを要求されて、

しんどくないですか?

 

ズバリ、責任者のカリッドさんに聞いてみました。
カリッドさんの即答
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「たしかに、シサムからの仕事は、チャレンジだけど、

でも、難しい仕事を任されているから

スタッフたちは自分自身のことを

よいワーカーだと感じることができる。
自分を、尊厳のある存在だと感じることができる。

 

難しい要求に応えることができることは

セキュリティでもある。

 

たしかに、簡単な仕事が来るほうがラクだけど

誰にでもできる仕事は、no security.

 

難しくて、その人にしかできない仕事は

いつもその人に頼むけど

かんたんな仕事は、いつなくなるか、わからないでしょう?」

 

 

カリッドさん・・・・・

 

ほんとうに、なにを聞いても、明快・・・・

 

わかってらっしゃる・・・・・

 

 

そしてみんなの猛烈な働きにより、

検品作業は、5日間の予定より1日早く、

4日間で終了しました!

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8年前

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