<むつみ>
娘は旅の期間中、私とはほぼ別行動で、
バルナバクリニックのお隣にある「WISH HOUSE」にお世話になっていました。
ここは、学校に通えない子どもに場を提供するところ。
貧しさの原因を考えた富田さんが、クリニックとは別に始めた活動です。
今日は少し離れた集落に出かけていって、出張教室。
こんな3輪バイクにて。
特に貧しい地域とのこと。
集会所に向かう途中で、水運び中の男の子に会いました。
「この子もいつも WISH HOUSEの教室に参加してる子です」と、
スタッフの倉田さんが教えてくれます。
日本人の子もやってみます。
大学生のYちゃん。
「重~い」
バランス難しい。
本人に返しました。
おうちまで。
毎日なんども、お疲れ様。
集会所にはたくさん子どもが集まっていました。
さっきの男の子も間に合いました!
みんな、顔が、可愛い。
瞳の輝きに吸い込まれそう。
日記を書いて、みんなの前で発表。
なんでもない活動に見えるけれど、集団に入ることに抵抗を感じている子には、
みんなの前で発表出来たということだけでも
自信になるそうです。
私たちも、手遊びや、即興の劇を披露して、
喜んでもらいました。
折り紙、フィリピンの子たちも、だいすき・・・
もういっかーい
最後にランチをいただいて。これもWISH HOUSEの予算より。
タッパー、大きい・・・それぞれに家から持ってくるそうです
貧しい家の子どもは、親が手元に置いて働かせようとしたり、
学用品などを買うお金がなくて行けなかったり、
せっかく学校に行き始めても、貧乏を笑われたりしたらそれがきっかけで
やっぱり行かなくなってしまう、などなど
なかなか小学校卒業までたどり着かない。
そのまま大人になって、仕事に就けない、
仕事に就いても、計算が出来ないので給料をごまかされる、など
不利なことが多い。
ものを考えられない、自分の主張ができない。
ひどい目にあったときにも、嫌です、とか、やめてください、と言えない。
自分に何の価値もないと思ってしまっている。
たとえ貧しさから抜け出せなくても、大人になる前に、
自分を大事に思える時間が持てたら。
嫌なことに嫌と言える気持ちを持てたら。
少し変わるんじゃないか。
そのためには、学校に行くためのハードルを少しでも下げること。
集団での生活を、ちょっとでも体験させること。
WISH HOUSE は、そんな場として作られました。
スタッフの倉田さん(上記写真左)は、Cindyさんと呼ばれてます。
なんで、Cindy?
「呼びやすい名前にしなさい、って、江里子さんが。
そのへんにあった看板に書いてあった名前を使いました」
シンディーさん、地域や子ども達の状況を把握しようと
とても努力なさってました。
児童教育は、専門でもなんでもないとのことでしたが
あったかいまなざしで子ども達に寄り添っていました。
言葉も流暢で、子ども達、みんな頼りにしてました。
「自分の人生がこんなに豊かになるなんて。」
30歳でフィリピンに来て、「蓄えは何も出来ないけど」、日々、子ども達を支えて、支えられて。
シンディーさん、ありがとう!
こんな方がいると分かってとっても嬉しかったです。
WISH HOUSEは、日本からの訪問者が払う滞在費で運営をまかなっています。
看護学生さんなどが毎年いらっしゃるそうですが、
うちの娘のような何もわからない子どもも
心細やかにいろんな体験をさせてくださいました。
娘は・・・・・
日本にいるときは、とにかく片付け嫌いで自分のバッグのなかもゴミだらけ、
部屋もホコリだらけで
私をキレさせていますが、
そんなルーズさというか大らかさが、今回の旅で遺憾なく効力を発揮。
どんな環境でも、すぐに人に打ち解けて
いいところだけを見て、楽しんでいました。
淡々と、いつもと変わりなく。
気負いもまったく見せずに過ごしました。
しっかり育っていますねと褒められましたが、苦笑い!
几帳面じゃないこと、いい加減なこと、
それがこんなに役に立つとは!
人との距離が近いフィリピンが性にあったみたいです。
子どもたちがカワイイ、カワイイ、と。
泥だらけの手の子とも「せっせっせ」を、せがまれるままに何十分でも。
キレイ好きでなくても
楽しい人生が一番ですね(笑)
WISH HOUSEでは、滞在者を受け入れていますよ。
http://www.wish-house.info/
ウェブサイトより
生まれた時から虐げられ、差別を受け、自信のない子どもたちが地域には沢山います。そんな子供たちにとって、憧れる国”日本”から来た、お姉ちゃん、お兄ちゃんは憧れる存在。そんな遠い存在の人が目の前で一緒に遊んでくれます。抱っこをし、おんぶをし、優しく接してくれます。子供たちにとって、どれほど安心感、充足感を得られるでしょう。「明日も頑張ろう!」「お姉ちゃんみたいになりたい!」些細に思う子供たちの心が明日を繋いで行きます。
(つづく)
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