「あっくんのカニ」

<むつみ>

息子が6歳になりました。

お誕生日は、何でも好きな食べ物を用意してあげることになっています。


息子は

「カレーライスと、カニ」というのです。


仕方がないので、小さな香箱を一匹だけ買うことにしました。


アル階下の「のっぽくん」の隣は、竹松という、創業75年?の魚屋さんです。

毎朝、竹松のお兄ちゃんと挨拶するのが、息子たちの楽しみです。

いつも全身で「おはよう!!!!」と言ってくれるので、

嬉しいのです。


だから当然、カニは竹松さんで買うことにしました。


誕生日の朝、息子が竹松で「このカニがいい」と指差した小さな香箱を、竹松の陽一兄ちゃんは、よっしゃと、ビニールの紐で縛ってくれました。左のはさみの付け根のところを。「茹でといてあげるな」


お昼に、私が買いに行くと、茹で上がった「あっくんのカニ」が待っていました。はさみに紐をつけて。


幼稚園から帰宅した息子は、紐を確認して「あっくんのカニ」と大喜び。


顔の前で、カニをあれこれ動かして、にやにやして。


翌朝、「あきひろが喜んで。カニと記念写真も撮ったわ」と報告すると、陽一くんは、「みんなでピースして撮ったんか~」と笑っていました。


たったこれだけのやり取りが、誕生日のとってもいい思い出になりました。


「あっくん、魚屋の中では竹松が一番好き。」としみじみ言う息子。


町の魚屋さんなんて、もうあまり残っていないし、スーパーの魚屋さんで「今日息子の誕生日で」なんて言い出せないし。なんだか、ねえ。


竹松さんは、小さな魚屋さんですが、毎日朝から大賑わいです。値段は、「激安」ではないけれど、目が利く人たちなのでほぼ絶対ハズレがない。その場で捌いてくれるので、パックの魚とは味がぜんぜん違います。必ず満足できます。だからこの辺の古い家の人はみんな、竹松で買っているみたいです。たまにスーパーで魚を買うと、違いがはっきりわかります。


最初は、ちょっと入りにくいかもしれませんが、慣れてくると、ご家族それぞれ、なかなかのキャラで、かなり面白いですよ。人生のアクセントに。おすすめです。


余談ですが

竹松さんでは、カニのゆで汁は毎日、ざーっと溝に捨てています。あれを何とか商品化できないかと・・・・すごいカニエキスなので・・・・




16年前

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