インドからの「リサイクルサリーシリーズ」のひとつ、「キモノトップス」。
リサイクルサリーとは、ご存知、インドの民族衣装「サリー」の生地が着古されたところを、再利用したもの。
ええーっ、古いの?なんで古いものをわざわざ?しかも、このトップス、6900円で、安くないです。
触ってみると、新品のサリー生地に比べて、とてもしなやかで、さらさらしています。ビンテージってことですね。インド綿のもつ魅力が最大に発揮されていると感じます。
穴あきや損傷のある部分は、ふさいだり、パッチワークしたりと細工してあり、それがまたよい味わい。どんな色の、どんなデザインのものが届くのか、箱を開けるまでわからない。オリジナル度抜群です。
このシリーズには、ドレスのほかに、ポーチ・がま口・トートバックがあり、刺し子されていたり、内布もサリー生地だったり、、ひとつひとつが自己主張するその表現力に、ため息が出ます。
今の私の希望は、リサイクルサリー品ばかりをずらりと並べたコーナーを作ること。
サリーといえば、インドのカルカッタにいたころ、いくつか選んで買いました。着付け、出来ます。インドでは、涼しいインドコットンがとても安く買えたので、サリーのほかには、市場で好きな生地を選んで、下宿の近くの仕立て屋さんに持ち込み、洋服にしてもらっていました。
小さな店で、おじいさんと息子さんの二人でやっていました。私が生地とデザインを持ち込んで、英語で説明すると、最初の頃、とてもおとなしく殆ど口を開かないおじいさんは、いつもとても困った顔になり、「私には出来ない」というのです。
きれいに仕上がった紳士服が店にたくさん並んでいるのに、どうしてこんなカンタンなスカートができないの?と食い下がり、無理やり引き受けさせていました。
しばらくして訪れると、キレイに仕上がっています。買うよりよほど安いし、思ったとおりのものになるので、また別の布を持ち込んで依頼。また「私には出来ない」と逃げ腰になるおじいさんを、ほとんど恫喝?して作ってもらい・・・
なじみになってきた頃、おじいさんが、ちょっと誇らしげに「これ」と指差すのを見ると、オオ、ノオ!超レトロな、でっかいリボンが、ブラウスの胸についていたりして。サービスで付けてくれたようで、ああ、要らないって言えない・・・ときにスリル満点な買い物でした。
そしてカルカッタを去る頃、なぜおじいさんが、私のオーダーにいつも困ったカオをしていたのか、ようやく分かりました。その店は、紳士服専門店だったのです。そういえば、背広とカッターシャツしかおいてなかった。
ビミョウなデザインの、おじいさんのテーラーメイド服を、日本に帰ってきてからも、長いこと着ていましたが、本当に涼しくて、やわらかくて、大好きだった。おじいさんの顔は思い出せないのですが、店のカウンターの風景と、布の手触りを、今でも思い出します。
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