<クズハ>
「アルデリ通信」として、小さな紙に印刷して店でお出ししてた文章です。打ち込んでみました!お付き合いください。
20代で放浪していたときの話です。インド・ネパールで半年間過ごしたあと、タイに行きました。
ふと気がつくと、自分の汗が何だかとてもクサイのです。インドでも汗だくだったのに、タイに入ってから明らかに急に臭くなったのです。どうして・・?
そのとき思い当たったのは「肉」。貧乏旅行で、食事は露店で取ることが多かったのですが、インドでは「世界最悪の都市」ともいわれるカルカッタに長期滞在していたので、街中の衛生状態からいってとても肉を食べる気がしなくて、麺やナンが中心の生活。半年間、ほとんど野菜とご飯、麺ばかり。それがタイに移ってからは、鶏肉やスウィーツの屋台が それはもうおいしそうで、食べまくっていました。朝も昼もおやつも晩も、肉、肉、魚、魚、おかし、、、そしたら汗が臭くなったのです。
ろくに体を動かさないのに栄養だけ取りすぎたかな。水路にヘドロが溜まることを「富栄養化」というらしいですが、それと同じで、消化しきれない養分が血管にドロドロたまって発酵し悪臭を放っているような、そんなイメージでした。
帰国後、だいぶたってからですが、玄米菜食の考え方と出会って「やっぱりそうだったんだ?」とガッテンしたものです。肉・魚・卵の豊かな栄養分が、使い切れず、体内で腐敗し、生活習慣病のもととなっている。
もともと肉食をする地域としない地域では、住む人間の腸の長さから違うらしいのです。緯度が違い、土が違い、消化酵素が違う。日本の政府は、戦後、ドイツの栄養学をまるまる取り入れ、無防備に食生活を欧米化したらしいのですが・・・
そして、急増したと言われる生活習慣病。学校では、毎食必ず動物性タンパクを取れ、と習ったけど、それはどうやら日本に住む私たちには多すぎるみたい。
でも、たった一つの命をささげてくれたや
を、「病気の元」と敵扱いするのでは、ちょっと申し訳がたちません。
年に何度か、我が家で焼肉を出すと、子どもたちが「肉!肉!」と血相を変えて喜びます。これくらいの喜びようが、ささげられたものとのバランスを考えるとちょうどいいような気がするのです。
普段の食事は、ちょうど使い切る分の栄養で。たまに、おいしいお肉をありがたく。そんな風に暮らしていけたらなと思ってます。それには、野菜料理、豆料理の魅力をもっと知らなきゃ。そんな思いがあって、アルデリでは肉・魚は使っていません。